企業ブログなのに毎回文章が軽い、山口です。
けどまだ上司に指摘されてないからセーフですね。
ヘッポコエンジニア、CEDEC 2017 8/31 へ行く
今回が人生初のCEDECで、こういう勉強会的なのも初でした。
周りが超一流ゲーム企業の人ばかりで萎縮しちゃいますね。
けど大学の講義みたいに、セッション中に適当なことしてる人もいて、
「あぁ、意外とエリートも人間なんだな」と思いました。
セッション内容について
セッション内容の詳しい解説は、大手メディアがまとめてくれているものが多いので割愛します。
セッションの内容を「全て」書き起こして不特定多数に公開することは禁止されていますし。
ですので本当に、超ザックリな「概要」「感想」だけ列挙します。
私のノート(PCでなく、アナログの)に記載したメモを頼りに書き起こしているので、ご察しを。
詳しく知りたい方はCEDiLで資料公開後にご確認ください。
人工知能(メタAI)を用いたゲームデザインの変革
三宅 陽一郎 様/水野 勇太 様
概要
- メタAIは監督(神)のようなもので、ゲーム自体がゲームの状態を考える
- キャラAIなどとは違う
- リラックス時と緊張時の状態をデータから判断、緩急をつけたゲームプレイになるように
- ルイージ要素(以下の頭文字)で感情の揺さぶりをかける
- ルール
- インタラクション[プレイヤーの行動と一致する要素]
- ジレンマ[何をすれば抜け出せるか]
- ユーザーに不自然なことなく楽しんでもらうためにも、メタAIを活用。
感想
「人工知能」と言っても、私は今までキャラAIくらいしか考えてませんでした。
システムそのものにAIを導入できれば、確かにユーザビリティは上がりそうですね。
プレイヤーの感情をデジタルデータから観測するというのは夢広がりますね。
個人的にはニューロマンサー型のデストピアを連想してしまうAIという単語ですが、
うまく活用して、共生の道を歩みたいものです。
高品質なアニメーションと低負荷を両立させるShadowverseにおけるアニメーション制作事例 ~カードバトルゲームとして快適にプレイできるUXを実現するために~
松岡 翼 様/山口 聡 様
概要
(対戦前提であるがゆえ、演出等でストレスがあってはならない)
- キャラアニメ
Spineを使用。Live2DよりUnityと連携しやすい。
できるだけアトラスを増やさないように。
- エフェクト
サイズと個数を調節して、できるだけ軽く。
サイズを下げてフォーマットすれば、ほぼ劣化しない。
ここでもアトラスに頼らない。
- スクリプトアニメ
NGUI、iTween、Shurikenにて。
Unityのバージョンアップとかで大幅な調整リスクもあるが、
汎用アセットや標準のものの扱いやすさが強み。
- まとめ
デザイナーだってコーディングを。
枠にとらわれずなんでもやる。
感想
基本から大きく外れることなく、
工夫によって高品質でサクサク動く派手な演出を実現していますね。
Unityの使いこなしっぷりには尊敬と賞賛を。
あえてLive2Dじゃない、というのは意外でした。
ちなみに、私はハースストーンが好きです。
データ分析の固定観念を覆す -ユーザー体験を向上し続けるモンスターハンター エクスプロアのデータサイエンス-
松崎 悠紀 様
概要
- データ分析の精度を求めれば時間がかかり、時間がかかればデータは遅れたものに
- 精度は7割でいい。3割の部分に開発を集中
- 分析の報告には、「仮説」→「裏付け」→「課題」→「提案」
- 起承転結でストーリーを作ると、理解してもらいやすい
- 機械学習は、技術が先行して、リテラシーが追いついていない
- データ分析によって新発見などほぼない
- 裏付けされた良い点を再現するために活用する
感想
スピーディなゲーム運営で改善やイベントをするために、
データに使われるのではなく使う側にならないといけない、ということですかね。
私はデータを活用してのゲーム改善が下手なので、耳が痛いこと…
最後の「良い点を再現するためのデータ」というのは格言ですね。
どうしても、データは問題点の指摘に使われることが多い印象なので。
ゲーム開発経験を生かすライター活動のすすめ
戸塚 伎一 様
概要
- 1つの記事あたりの単価は…(決して多くはないです)
- 元ゲーム開発者という時点で、優位性がある
- 専門性、独自性、情報ルートがあれば、文章力は編集者がカバーしてくれる
- 例えばDQで感動して業界に入った人
- 同じ感動をゲームで表現したい!作りたいゲームが明確に言える! →今のまま開発を
- いかにすごいかを伝えたり共感したかっただけ →ライターの方が向いている?
- 「面白い記事を広く発信する」ことも、業界への貢献になる
感想
技術者向け講演イベントの場で、
技術者から転向したい人向けのセッションというビックリ内容でした(笑)。
しかし、途中の「ドラクエに感動して〜」の例は、とても深いですね。
これからゲーム業界を目指す人なら、自分はどちらか自問した方がいいです。
そういう私はどちらなのか?
ご想像にお任せします…
-ゲームエンジン書籍執筆の裏側- 全ての人にゲームエンジンを!
荒川 巧也 様
概要
- ターゲット層の欲しい情報を見極める
- ライバル本の触れてない点や不満点を書く
- 読者のスキルに期待しない(「これくらいできる」は厳禁)
- 執筆者はスーパーエンジニアである必要はない。わかりやすく説明できるスキルを
- 初心者向けなどなら、特に
- 印税は? →初版じゃ特に。増刷してようやく
- 執筆することで、自分が詳しくなれる
- 今書くなら、C++の本が出版社にニーズがある
- 中級者向けはブログで十分。初心者か、上級者か
感想
私もお世話になっている、Unityなどのミドルウェア解説本の裏側でした。
しかし著者も人間であり、決してスーパーマンではないのだ、と月並みに思いました。
私が技術書を書くことなどおそらくないでしょうが、
この会社ブログを続ける上で、伝える「覚悟」みたいなものは
再認識しないといけませんね。
その他感想
- 講演とは別の展示コーナーも見ていて楽しい!!
- 出版コーナーで技術書が格安で買える!!
- 人の数に対して、昼食取れるところが少ない!!
総括
最初は、日本で最も権威のあるデベロッパー向けイベントということで、
私のような者が行っていいものかと不安だらけでした。
けど、エリート技術者であっても、同じ人であり、
それぞれの現場で苦労している点は変わらないものなのですね。
こういうイベントで触発されてまた頑張る、ということが大事なんだと知りました。
講演の内容云々よりこの空気に触れることが、何よりも貴重ですね。
自分のエンジニアとしての在り方を考えさせられる、とても有意義な時間でした。
来年も再び行けるなら、必ず行きます!!
と、珍しくまともに終わります。
余談
こちらの記事で、
CEDECに参加する前は正直他の人のセッションを聞いた所で何か良いことがあるんだろうか、
大きな企業の人の話を聞いたって自分には理解できないんだろうなとか思ってましたが、
今はとても良い経験が出来たと思っています。
言いたいことほぼ言われました。
敵は身内にあり。
追記
登壇者とTwitter等のリンクがあればそれを追加しました。