gracetory’s blog

東池袋にある合同会社グレストリのエンジニアブログです

CEDEC2018 2日目行ってきました。


(c) .foto project

まえがき

こんにちはプログラマのShizawaです。

CEDEC開催2日目の8/23(木)に行って参りました。
セッションを受けた感想をそれぞれまとめて見たいと思います。
(せっかく写真をとったのに、PCと同期したときに間違って写真が消えて・・・)

※ セッションによっては掲載禁止のため、概要を省略しています。

「ジャンプチ ヒーローズ」「FINAL FANTASY XV」でのPhoton採用事例紹介

GMOクラウド株式会社 櫟 香菜 様  /  ワンダープラネット株式会社 村田 知常 様 / 桐島 昌吾 様 / 株式会社Luminous Productions 荒牧 岳志 様
概要

<利用形態>
Photonには下記2つの形態が存在する。

●Photon Cloud
saas。用意されたプリセットで実装する。
カスタマイズがほぼできない。
Server構築なしでできる。運用コストなし。

●Photon Server
カスタマイズ可能
全てをコントロールできる
コストがかかる。

<ジャンプチ ヒーローズ>
最初はPhoton Cloudをつかっていたが、途中からServerに。
理由は初期の導入コストが低く、開発初期にクライアントの作業が円滑に進められるため。

●分散方法
マスターServerの分散
役割ごとにServerを分ける →「チャット」と「バトル部分」

●負荷テスト
awsを使用
シナリオテスト
負荷テストツール → スターダストクライアントという、テストクライアントがある。
Server to Server機能を使用して負荷テスト開発をした。
この負荷テストアプリケーションにもライセンスが別途必要、photonお金がかかる

<FFXVの場合>
●Photonを採用した理由
ロビータイプのマッチングができる
マッチングをカスタマイズできる
UDPなどの通信の仕組みを備えている→これは他のミドルウェアにはない
通信で到達保証の仕組みが備わっている
社内実績があった

●photonとP2Pの使い分け
FFXVはマルチプラットフォームで展開されているが、PC版ではPhotonは基本使わないそう。
モバイルではメリットの多いPhoton(リレーサーバ)だがPC同士の通信であれば高速な「peer-to-peer」通信で行うのが理想。
だが、そうするためにIPアドレスの解決などを行う必要がある。 その解決が状況によってどうしてもできない時にPhoton Serverを通じて通信を行うロジックを組んでいる。

コンシューマゲームでphotonを扱うには、通信量がネックになってくるので、その対策が必要。
これは送るパケットを一つにまとめ、圧縮することで解消。

感想

今回、スマホのソーシャルゲームである「ジャンプチ ヒーローズ」とコンシューマゲームの「FINAL FANTASY XV」とで、
プラットフォームの違うゲームの事例を比較できて興味深かったです。

photonの組み込みコストが少なく、不具合もなかったとのことで、
ネットワークエンジンとしては安心感があり、実績が違いますね。 自分はphotonを使って、簡単な実装をしたことしかなかったので
今回のセッションで知見が広まってよかったです。

Webプロトコル最前線

ヤフー株式会社 大津 繁樹 様 / グリー株式会社 後藤 ひろゆき 様
概要

●これまでの歴史
今までは様々なプロトコルが存在していたが、現在はhttpとhttpsがほとんど。
現在は全てhttpsにする流れになっている。

●TLSプロトコルの誕生
エドワードスノーデン事件(国家レベルの広範囲で盗聴)を受けて、従来のプロトコルのセキュリティが問題視され、Googleによって開発された。
従来のプロトコルでは平文を改ざんし未知のマルウェアを感染させることが可能になることがわかった。
2014年11月に暗号化機能を必須にすべきと宣言された。 → インターネットの健全性を確保するため。
まだ日本では暗号化された通信は70%弱。→ 先進国の中では下位。

●TLS1.3(TLSの新バージョン)
時代に即した要件を追加し、時代に必要のないところは排除
よりセキュアに、より速くを目指した
1.2との違いは2往復必要だったのを一往復で接続できるようになった。→ 速いハンドシェイク

2018/08/11にTLS1.3を発行
今Facebookで試験的に導入されている。
今年が転換期になっている。

●そしてこれから
もう新しいプロトコルが開発されている。UDPの拡張。→ QUIC(TCPのようにセキュアな通信)
より高速化のためにトランスポートレイヤーの問題に焦点が当てられるようになった。
TCPでは一度パケットロスしてしまうと、また再送状態になってしまう。
これを解決するようなプロトコルを開発中。

感想

この分野の知見があまりなかったので、ありきたりな感想となってしまいますが、 Webプロトコルという技術はもちろん、技術の背景とその歴史を混ぜた内容でとても興味深かったですね。 ニュースで見た国際的な事件が現在の技術のきっかけになったりと、ドラマを感じる内容でした。 普段自分たちが使っているインターネットを支える技術は見えないところで進化していて、情報を守っている。 情報社会においてセキュリティに関心が高まる昨今、自分もゲームアプリを開発しているエンジニアとして、 今後インターネットの発展にも意識を向けていきたいと思いました。

ディライトワークス、FGO PROJECTをプロデュースする。~ Fate/Grand Order 成長の軌跡 2015-2018 ~

ディライトワークス株式会社 庄司 顕仁 様 / 塩川 洋介 様 / 石倉 正啓 様
概要

掲載禁止のため、省略

感想

1人のユーザ、1人のファンとして、本セッションに参加しました。
本セッションは「FGO」というトップセールスのソーシャルゲームアプリが
どのような軌跡を辿ってきたのかを追想していく形で進んでいきました。
講演者の塩川さんが来場者に質問したところ、公演に出席した方の約7割ほどがFGOユーザでした(挙手目測)。
印象に残ったのはPR部門の話でした。 SNSでの発信、イベント開催でトレンドをジャックして、新規ユーザを増やし、既存ユーザの継続率をあげる。 アプリの外(現実側)からのアプローチでユーザを取り込んでいく、お祭り騒ぎのようなPR方法は聞いていて楽しかったです。 Fateという強力なブランドがあってもそれを知らずではユーザが増えない。
それを武器に、潜在的なファンを引き込むのはPR力が大きいところだと思います。
小規模なアプリだと、真似できそうにないですが、できるところというとマメにSNS発信することですね。
何かしらの情報を発信し続けることが大事なんだと思いました。

1コアあたり10万/sec メッセージをさばくサーバソリューション「STRIX Cloud」を使ったオンラインゲーム開発

株式会社ソフトギア 宮永直樹 様 / 金子 章典 様 / 加藤 正彦 様
概要

掲載禁止のため、省略

感想

ファンタジーアースゼロのオンラインゲーム開発などの実績のある、
株式会社ソフトギアから、「STRIX Cloud」という新しいネットワークエンジンのサービスが開始されようです。

Unityの実装的にはだいぶPhotonに似ていて、PhotonをSTRIXに置き換えることは簡単にできそうでした。
CCUあたりの値段もPhotonと比べて、安いみたいでコスパが良いみたいです。
サービス開始は9月下旬で、東京ゲームショウに合わせて、本エンジンが使用されたゲームが発表、展示されるらしいので実際に触れて
どの程度のパフォーマンスなのか見てみたいですね。ソフトギアさんの企業のブースもあるらしいです。
今後の展開に期待。

まとめ

今年は、「Webプロトコル」、「Photon」、「STRIX Cloud」と、ネットワーク関連のセッションを受けましたが、 複数のセッションを一貫性を持って受けるのも関連性を見出せたりして、アリだなと思いました。

バンドリ! ガールズバンドパーティ!のセッションは開始20分前に並ぼうとしましたが、
入場規制がかかって並ぶこともできず・・・ (FGOより並んでました) 名前の売れてるゲームのセッションは30分前には、並び列を確認しておいた方が良いですね。
代わりに「ノードがわかるとMayaがわかる!エンジニアやTAのためのMayaノード開発入門」のセッションを受けましたが、   途中から内容が全然理解できなかったので、本ブログでは省略してます。(完全に選択ミス)

入場者の数が去年より増えてる印象でした。(喫煙所ってあんなに激混みでしたっけ・・・)

タイムシフト配信なしでも、話題のセッションはメディアが詳細な内容の記事を公開しており、
後からでも内容を把握できるので、少し勿体ない感じがしました(今回FGOは特に)。
次は穴場を狙っていきたいです。