まえがき
こんにちはプログラマのShizawaです。
先週の9/1(金)にCEDECに行ってきました。 初めてだったのでそわそわしてましたが、講演が始まるとわりと(失礼)聞き入ってしまって、 メモをところどころ忘れてしまうくらいでした。
そのメモを基に下記に講演の概要と感想を書いていきたいと思います。
※ 任天堂「ブレスオブザワイルド」のセッションについては掲載禁止のため、概要を省略しています。
感想もざっくりとした感想になっています。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 ~広大で生き生きとした世界を奏でるオープンエアーサウンド~
任天堂株式会社 若井 淑 様 / 長田 潤也 様
概要
掲載禁止のため、省略
感想
本セッションでは、音がどうやって制御されているのか
デバッグモードのゲームの画面を見ながら説明をしてくれました。
私もこのゲームは最後までプレイしたのですが、 あの空気感だったり、臨場感はこうやって作られているんだなあと。
開発手法について、ブレスオブザワイルドならではの「物量」に対する対策についても語られていました。
ゲームの開発はアセットのインポート、スプライトや音素材、アニメーションのプレビュー、実機動作確認など、
様々なツールと実機を跨いで確認するとなると時間がかかるものです。
その時間をいかに減らすべきなのか考えさせられます。
モバイル3DアクションRPG「武器よさらば」におけるカットシーン制作事例 ~少人数で効率的に魅せるカットシーン~
グリー株式会社 萬両 史浦 様
概要
●カットシーン制作手法
▼カメラワーク
■ 黄金比を利用した構図作成
■ 方向表現(方向がもたらす、心理的作用)
・右方向:進歩、立ち向かう(ポジティブ)
例:主人公が優勢の場合に左から右(→)へ動く構図
・左方向:圧迫感、焦り(ネガティブ)
例:敵が優勢の場合に右から左(←)に動く構図
■ カットシーン内のスケール感を大きくする手法
・同じ場所をカメラや敵の表示を切り替えて走らせる。
■ キャラ表情が1パターンしかない(リソースの節約)ため、カメラでは映さない
▼ワークフロー
■使用しているツールはUnityのAnimationツール
感想
カットシーンの制作手法が主な内容でした。
私はカットシーンは制作したことがなかったので、実機で見たカットシーンを
Unity Editor上で見るのが新鮮でした。
地形モデルを広く見せるために、カメラを切り替え、同じところを走らせて
スケール感を演出するなど、モバイルならではのアイデアが面白いなと思いました。
遺伝的アルゴリズムによる人工知能を用いたゲームバランス調整
株式会社スクウェア・エニックス 眞鍋 和子 様
概要
●プレイヤーAI(プレイヤーの代わりとなるAI)
■ ゲームを自動プレイ(1秒に1クエストくらいでできる)
■ ゲームアップデート毎にAIを自動的に再作成。
●グリムノーツの場合
■ プレイヤーAI活用(研究事例)
・バランスが破綻していないかを検証
・アップデート毎に自動調整
・キャラクターの組み合わせ、装備が良いかなど最適な組み合わせを探す(遺伝的アルゴリズム)
・評価値を勝利時:バトル時間の短さ、敗北時:与ダメージの多さと定義
●なぜ遺伝的アルゴリズムなのか
■成長過程(世代交代)が見れる
■幅広い強さを持ったプレイヤーAIを作成できる。
しかし
■ アルゴリズムのパラメータ調整が難しい
■ 実際のゲームプレイでそうなるのかがわからない
感想
AIにはプレイヤーが対戦する敵の挙動を決めるロジックAI、ゲームの難易度調整や
ゲームプレイの緩急を操作するディレクターAIなどゲームプレイにおけるAIなどがありますが、
今回のAIはゲーム中に難易度を設定するものではなく、ゲームプレイを繰り返し、適切なレベルデザインを求めるAIです。
内容的には15分と短いこともあり、詳細には触れられていなかったので、こんなことをやってるんだな、すごいなあと思ったのですが、
遺伝的アルゴリズムに興味を持ったので、本を買って勉強をしてみたいなと思いました(講演終了後にとりあえず数学の本を購入)
Cedilで公開するにコードも付録するとのことなので、ぜひ見てみようかと思います。(理解できるのかは別として)
いつか自分が作ったゲームをプレイするAIを作って、成長過程を眺めて見たいものです。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のUIが目指したこと~世界に溶け込み、かつ印象的なUI表現
任天堂株式会社 北山 茂寿 様 / 長谷 隆広 様
概要
掲載禁止のため、省略
感想
没入感のあるゲームを構成する要素として、音楽、グラフィック、ゲームシステム(遊び)に目が行きがちだが、
その没入感を左右する要素としてUIに焦点を当てたのが今回のセッション。
わかりやすいUIと没入感を阻害するUIは同居する。うーん、作るのがとても難しそう。
UIのフォント、色味のモチーフにしても細部までこだわられて作られているんだなと感心しました。
このこだわりはさすが任天堂クオリティ・・・
ソーシャルゲームのUIにも通ずるところはあると思います。
次のゲーム制作ではフォントや色味のモチーフをきっちり決めて世界観などを統一して進めたい・・・なんて
ダカイせよ!大型アップデートによる、売れないゲームの再生術
株式会社アプリボット 黒岩 忠嗣 様 / 佐藤 裕哉 様 / 前田 貴文 様
概要
ダカイの実例
●ジョーカー~ギャングロード~の場合
■小さな改善ではなく、ゲームを作れるくらいの大胆な開発
■ダカイのビジョンに共感するメンバーを集め、何を作るか、誰のために作るかすり合わせをする
■PやDはフォローに徹する
■ターゲットをブラさない方法を決めておく
■とにかく動き、本音で話すこと
●グリモワールの場合
■3つの熱量が大事
・ユーザの熱量、運営メンバーの熱量、ダカイ責任者の熱量
■ゲームの問題点に対しての解決策だけを盛り込むと失敗する
■可愛いから欲しいだけではダメ。+楽しいから欲しい、使えるから欲しいという要素も
■ダカイに必要なのは体験を変えること
●「誰と一緒に」「誰のため」のゲームを作るのか、に向き合うのが大事。
感想
本セッションの中で面白いなと思ったのは、ダカイ制作チームが決定した後に、合宿を行い、 コンセプトを決めたというところ。 本音で話し合い、本気でぶつかり合う場を作り、熱意を持ってゲーム制作に取り組んでいるんだなと思いました。
サービス終了していくソーシャルゲームは多く、そんな現実をダカイをしていくためには、
熱意を持った人たちのポテンシャルをいかに活かせるかにかかっているのでは。
まとめ
今回、初めてのCEDECでしたがが、とても良い刺激になりました。
講演を聴いて、新しく興味が湧いた分野もあったので、勉強してみようと思います。
いつかブログにしたい・・・