gracetory’s blog

東池袋にある合同会社グレストリのエンジニアブログです

はじめての「CEDEC2018」Day.2レポート

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みなさん、こんにちは!
プログラマのyamauraと申します。
連日の猛暑が続く中、ゲーム開発者の祭典「CEDEC2018」が8月22日〜24日と3日間催されました。
人生で初めてのCEDEC。私は23日のDAY.2 に参加してきましたので、その聴講セッションの内容を簡単にレポートさせていただきます。

ちなみに今回一番楽しみにしていたセッションは ”世界で稼ぐ「ハイパーカジュアル」ゲームの可能性と成功のコツ” です!

自社IPのモバイルVR化プロジェクト - 釣りスタVRの事例

グリー株式会社: 渡邊 匡志様 / 内田 素貴様 / 柳澤 悠太様 / 串田 夏子様

概要

10周年の節目を迎えたGreeの長寿コンテンツ「釣りスタ」をモバイルVR化するにあたって、懸念される問題点や実際に生じた問題をどのように解決していったのか。 プロデューサー兼ディレクター・VRエンジニア・アートディレクター・エフェクトデザイナーの4つの視点から解説。

プロデューサー・ディレクター
限られたリソースでモバイルVRのコンテンツをどこまで作り込めるのか。
  • 10年続いているコンテンツを完全に再現するのは困難。
  • これぞ釣りスタと言える「魚を釣り上げる」部分のプロセスに注力。
モバイルVRコンテンツの開発を完成させるためにはどのようなプロジェクトマネジメントが必要なのか。
  • 国内のVRヘッドマウントディスプレイ出荷台数は100万未満でプロモーションやVR外の事業シナジーがないと開発費のリクープが難しい市場。
  • Daydream/Googl Playを活用してパブリッシングコストを削減。
  • 制作するアセットは再利用可能にする。
VRイベントの運営について
  • レクチャーコストを下げるためにマニュアルを用意。
  • 外部出力用ディスプレイを用意することで盛り上げるアナウンスができ、ギャラリーのウケも良い。
VRエンジニア
スタンドアロンVRデバイスへの対応
  • Daydream対応スマホと比べてStandaloneは6DoF対応で頭の動きが位置も含めて追従されるため、没入感が増し、酔いやすさが軽減される。
  • Daydream対応アプリならAndroidManifest.xmlに1行追加するだけ。
スタンドアロンVRデバイス対応の注意点
  • コントローラーは追従されないため頭の動きと同期が必要。
  • 6DoFの計算によりCPU負荷が増大する。
その他
  • マルチプレイのpluginとしてPhotonを採用。
  • 店頭デモ用などイベントで使用するアプリには専用のオプション設定機能を実装し、新たな追加実装をせずに汎用的にイベントで利用できるよう設計。
アートディレクター
アートアセットの制作
  • 釣り竿や魚は元からある2D絵を徹底的に踏襲する形で3D化することで効率的に制作。
  • アバターはGreeアバターチームから提供された2Dアセットをそのまま3Dオブジェクトにはめ込むことでバリエーションとクオリティを確保。
  • 全11点の背景はコンセプトアートから新規制作。
クオリティとパフォーマンス
  • フィールドでは専用のコライダで移動範囲を設定し、移動範囲外のコライダを徹底的に削減している。
  • 魚のオブジェクトは実際に釣り上げた魚(1000~5000tris)と6種のシルエット(150tris以下)を使用。
モバイルVRはグラフィックに割けるリソースが限られるため様々な取捨選択が必要
  • 全体的にクオリティを高めるのではなく、シーンの見どころ部分を作り込む。
  • そもそものゲーム性をモバイルVRに最適化する。
UIデザイン
  • 2Dではペラペラ感が出るためすべて3Dで用意。
  • 9スライスの仕組みを3Dでも利用。
エフェクトデザイナー
VRエフェクトで気をつけることはVR酔い
  • 処理負荷が高くFPSが落ちることで画面がカクつき、VR酔いに繋がる。
  • 釣りというゲーム性から水が多く描画処理負荷の点でエフェクトに割ける余裕があまりなかった。
処理負荷軽減
  • 水に関するオブジェクト以外はアルファを減らして描画コストを削減。
  • 広域にわたるエフェクトを断念し、見どころ部分に注力した。

感想

モバイル3Dゲームを開発する上で避けては通れないクオリティとパフォーマンスのバランスについて、講演者のみなさんが口を揃えて「見どころに注力する」と仰っていたのが印象的でした。

特に興味深かったのはパーティクルエフェクトについて、アルファ付きのテクスチャを使用するよりも専用の3Dモデルを作成することでテクスチャのアルファを極力へらすことがパフォーマンスにつながるというお話。
3Dモデルを別途作成する手間はありますが、パフォーマンスを向上させるためにも積極的に取り入れていきたい事案です。

世界で稼ぐ「ハイパーカジュアル」ゲームの可能性と成功のコツ

坂本 達夫様 (AppLovin)

概要

2017年以降,世界のスマートフォンゲームランキングで上位を占めるハイパーカジュアルゲーム。 ハイパーカジュアルが台頭してきた理由とその成功に至るまでのパブリッシング戦略を解説。

ここ10年のスマホアプリ市場における人気ジャンルの変遷
2009 => カジュアルゲームと有料ゲーム(無料になる前のアングリーバードなど)
2012 => ソーシャル要素とカジュアル性を持つタイトル(キャンディークラッシュ)
2014 => ミッドコアタイトル(クラッシュ・オブ・クラン)
2016 => ハードコアタイトル(Mobile Strike)
現在のUSアプリストアのダウンロード上位は軒並みハイパーカジュアルゲーム
  • 無料トップ10にはたまにサバイバル系やIPモノのアプリが顔を出す程度でそれ以外はすべてカジュアルゲーム。
ハイパーカジュアルとは?
  • シンプルで中毒性のあるゲームプレイ。
  • ユーザーの年齢や性別、国籍を問わずに誰でも遊べるデザインと操作性。
  • 実際に北米の無料ランキングトップ10に入るゲームをいくつかプレイすればすぐに理解できるはず。
急成長の理由
  • 広告フォーマットの進化:
    • 動画やプレイアブル広告によって静止画では伝わりにくかったカジュアルゲームの面白さを伝えることが可能になった。
  • 広告マネタイズ手法の確立:
    • 動画広告など収益性の高い広告フォーマットの登場で広告マネタイズを中心としたゲーム設計が可能となった。
  • スケールの拡大:
    • GoogleやFacebook,AppLovinなど世界中に広告を発信できるプラットフォームが登場し、世界中にアプローチが可能となった。
ハイパーカジュアルゲームがビジネスとして成功するための3つの条件
  1. LTV > CPI

    • LTV > CPIの状態を維持したまま,どれだけユーザーを増やせるかという規模の勝負
  2. Stickiness(粘着性)

    • LTVを高めるために必要な要素で「継続率・1日の起動回数・1起動のプレイ時間」の3つの指標の総称。
    • ある一定まで高めるということではなく常に高め続けることで同時にCPIを高めることができ、ユーザー獲得にかけられるコストを増大させる。
  3. Virality(口コミ性)

    • ゲームの内容がひと目でわかる・ユーザーを選ばないデザイン・プレイ動画を見たらなんか楽しそうといった、よりたくさんの人が面白そうと思う要素。
    • これが高いほど広告を見たときのインストール率が上昇し、CPIのコストを安くすることができる。
    • 同程度のViralityを持つアプリと競う場合はCPIが高いほうが勝利するため、この意味でもLTVを高める必要がある。
    • 例えばダークファンタジーなど、コア要素のあるテーマを扱う場合はこのViralityが低くなってしまう。
ランクインまでのプロセス
  1. 企画

    • ハイパーカジュアルはカテゴリ x 操作方法 x モチーフ x デザインの組み合わせ。
    • シンプルさを求める性質から似通ったゲームが多くなってしまうため、ランキングから現在のトレンドを読み解くこととスピード感が重要。
  2. プロモーションテスト

    • 目的は貴重なリソースを望みの薄いプロジェクトに浪費しないこと。
    • 公開したアプリに対して少額の広告出稿を行いViralityやアートの魅力を判定する。
    • 十分な結果が出た場合は次の改善テストへ、そうでない場合は操作性やアート部分を見直し、それでも結果が出ない場合はここで終了。
  3. 改善テスト

    • LTVを可能なかぎり高め,CPIを可能なかぎり抑えて収益を増やすための改善をPDCAに従って繰り返す。
    • 十分な収益が見込める仕上がりになったら最後の「アクセルを踏む」フェーズへ遷移。
  4. アクセルを踏む

    • 1日に500万~1000万ほどのパブリッシングコストをかけてユーザーの獲得を行う。
    • この間もCPIが適切であるか,継続率が低くなっていないか,収益性が落ちていないかといった数値の確認やキャッシュフローのチェックが必要。

ポイント

以下、本セッションで個人的にポイントだと思った部分を完結にまとめました。

打席に立つことが重要
  • ゲームの出来はインストールされてからの問題であり、完成度やコンテンツの量はインストール数と関係がない。
  • 個人開発やクリエイター気質の高い人にありがちな「クオリティを高めてからの公開」ではなく、未完成でもより多くの打席に立つことが大事。
はじめから英語に対応する
  • 国内の課金市場が世界的にも大きな一方で、広告による収益については世界の10%ほどしか無い。
  • 英語は必ず対応する必要があるが、他の国へのローカライズ・カルチャライズが必要な場合そのアプリはハイパーカジュアルではない可能性が高い。
パブリッシャーとの提携を視野に入れる
  • すべてを自前で行うには人員もコストも必要で個人や小さな会社では難しい。
  • そもそも広告会社に対しての実績がなければ多額の広告出稿を行うことができないという与信の問題がある。
  • 上記の問題はパブリッシャーと提携することで全て解決。(レベニューシェアなら個人でも活用できる)

感想

今回最も楽しみにしていたセッション。
どうやらハイパーカジュアルというまったく新しいジャンルが誕生したわけではなく、カジュアルゲームをいかにランクインさせるか、そのパブリッシング戦略によって既存のカジュアルをハイパーに昇華させるという、1つのビジネスモデルとして解釈できる内容でした。

テストマーケティングやアクセルを踏むという表現を使った実際の手法やマインドセットについて具体的なお話も多く、カジュアルゲームで稼ぐための仕組みを学ぶことができた充実の1時間。
特に「クォリティを高めてからの公開ではなく未完成でも多くの打席に立つ」という部分は今までの自分ではたどり着けなかった考え方で大変勉強になりました。

海外企業から見る成長を続けるカナダのゲーム産業

グエネール・エリオ様 (ユービーアイソフト・ハリファックス)
アニータ・パン様 (カナダ大使館)

概要

日本でも話題になったアサシンクリードシリーズなどを開発するUbisoft Entertainment。 FPSやアクションゲームで世界的な評価を得ている同社のカナダにあるゲームスタジオ「UBIハリファックス」で運営を担当しているグエネール・エリオ氏の経歴と仕事内容を通して、なぜ海外企業がカナダのゲーム産業に進出しているのかを解説。

カナダ国内にはビデオゲームを扱う企業が596社
  • そのうち17%が海外からの会社で2013年からの5年間で81%も増加。
カナダのゲーム産業の収益は37億ドル
  • 2015年から24%の成長。
映画やアニメで使われる CGやVFXなども盛ん。
  • 例として日本で知名度がある「アイアンマン」シリーズを紹介。
カナダでの開発者のライフスタイル
  • エリオ氏が自身の経歴と交えてカナダでの生活を写真とともに紹介。
UBIハリフィックスの紹介
  • 北米で唯一のモバイルスタジオでアート・コーディング・設計すべてを行っている。
なぜカナダでゲーム制作会社がこれほど急激に増えたのか?
  • ゲーム産業に対しての政府からの支援や、税制の優遇が大きい。
  • アメリカの西海岸と比較して同等かそれ以上にスキルを持った優秀な学生が揃っている。
  • 多くの移民で構成されるカナダ人の特性として、コラボレーションが得意。
ISNSについて
  • UBIハリフィックスのあるノバスコシア州ではゲーム開発者のコミュニティとして「Interactive Society of Nova Scotia」が存在する。
  • ISNSでは情報共有や発信のほか開発者が海外からカナダに移住する際のサポートなども行っている。
  • 多数の同業他社が参加し、世界的に競合だが一方で助け合うことを重視している。

感想

今日の北米ゲーム市場の盛り上がりはMicrosoft Xbox OneとSony Playstation 4に併せてPCでもプレイ可能なマルチプラットフォーム戦略が熟成した結果だという記事を何かで読みましたが、デベロッパーの立場から見たときにそれを下支えするのが政府からの支援や税制優遇であり、それによる優秀な人材の流入・確保が武器になっているのだろうと思います。
内容のうち半分以上がエリオ氏のプライベートな生活に言及されていた点がとても印象強く、良い仕事にはオンオフの切り替えが大切だと考えさせられました。

TCGのバランシングを解剖する-機械学習を用いた開発運用の効率化について

株式会社バンダイナムコエンターテインメント: 高橋 麗菜様
株式会社ドリコム: 佐藤 勝彦様 / 永多 慧様

概要

Shadowverseの対戦AI開発者がドラゴンボールZ ブッチギリマッチに活用している機械学習を用いたバランシング手法を解説。

なぜAIなのか?
  • 対戦型のカードゲームはルールの変更や大量のカードを継続的に提供する必要があるため運用すればするほどデッキ・戦術、その組み合わせ爆発によってバランシングコストが肥大化してしまう。
  • サービスの長期運用にはバランシングコストの抑制と品質の維持が要。
  • しかしそれを人間だけで評価するには手が追いつかず非現実的。
適切なバランシングとは
  • タイトル毎に異なるが、大事なのは要件を明確化したうえで理想形を定義し、チーム全体で共有すること
ブッチギリマッチの要件
  • 対人戦をエンドコンテンツ化する。
  • 多様な戦術を楽しめることで、カードを集めることに対する需要を生み出す。
理想となる環境
  • Aが人気であればそれに強いBが台頭し、続いてBに強いCが盛り上がる。それによってCに強いAが増えるといった3すくみの状態。
  • つまりトップ環境にいるためにはメタの読み合いが必須な状況(メタ循環)が理想で、トップ環境が固定されることは良くない。
  • トップ層の認識しているメタを適正化することが必要。
適切なバランシングによって
  • 新規参入の敷居が下がり、カードプールを拡充させる意味が生まれ、多様な相手と戦える環境となる。
実際のバランシング運用イメージ
  • 事前の見積もりを学習型AIによる総当たりでサポートし、コストを抑制。
  • リリース後にユーザー間の対戦ログと見積もりの差分を分析し、見積もり精度を向上させていく。
  • 同時に対戦ログから現在のメタ循環が適正かどうか観察し、運用側で対策を適時行う。
分析手法
  • 使用デッキをクラスタリングし、使用率の推移を時系列で取得(現在)
  • 運用側の施策によってデッキ使用率がどう変化しているのか観察(過去)
  • 新カードのリリースが現環境を壊さないかAI対戦による事前テスト(未来)
AIのプレイイング
  • ニューラルネットワーク推測。
  • モンテカルロ木探索。

感想

機械学習についてほとんど無知の状態での参加でしたが、後半のアルゴリズムや分析のメカニズムはとても難しかった……
ブッチギリマッチの事例では人間同士で8分かかる対戦が1秒に短縮できることなど、導入するメリットについても沢山ご紹介いただきました。
なにげにTCGが好きなのでいつか作ってみたいのですが、適切なバランシングを考えるとその道はなかなかに険しそうです。

AIによる汎用的バランス調整とその可視化:グリムノーツRepage PVPの事例

株式会社スクウェア・エニックス: 眞鍋 和子様 / 淡路 滋様

概要

昨今のゲームは複雑性が増しているためバランス調整が難しく、開発コストが膨らんだりそもそものバランスが取れずにゲーム寿命が短くなっている事例が後を立たない。 一方でこういった問題を人工知能を使って効率的に解決する取り組みが進められている。 この取り組みについてグリムノーツRepageのPVPで実際に行われている手法を元に、AIによる汎用的バランス調整とその可視化について解説。

グリムノーツRepageにおけるPVPについて
  • 非同期で完全なオートバトル
  • パーティーは4人のキャラクター+8人のサブキャラクター+各種装備品で構成される。
  • 週に一度のアップデートでガチャが更新され、新しいキャラクターが登場する。
  • 膨大な組み合わせが存在する現在の環境では人の手でバランス調整を行うことは時間的にも困難。
バランシングの考え方
  • 強すぎるパーティーがもし存在するならば、強いキャラクターはそうなる何らかの要素を持っている。
  • 意図的に強いパーティーを作成して分析し、バランス調整を行う。
遺伝的アルゴリズム(GA)を使って強いパーティーを生み出す
  • 第1世代としてランダムにパーティーを作成し、互いに戦わせることでそれぞれのパーティーの評価値を決定する。
  • 評価値の高いパーティーの構成を遺伝子データに変換し、それらをかけ合わせて新しいパーティーを作成する(第2世代)
  • 世代を交代していく毎に現在の環境に沿った強いパーティーが生み出される。
  • バトルはモデル化してAPIを介するため他ゲームでも汎用的に利用可能。
なぜGAを使うのか?
  • 遺伝子データに変換することで汎用性が向上。
  • アルゴリズムがシンプルで使いやすい。
  • 歴史があり資料が豊富。
  • 有限の時間内でそこそこの結果を得ることができる。
  • いつでも中断可能。
PVEとPVPの評価値の違い
  • PVEで求められるのはステージの周回効率 => 戦闘時間の短さ + 与ダメージの多さ。
  • PVPで求められるのは安定した勝率 => 勝利時は勝ち点と残り体力割合差の多さ・敗北時は残り体力割合差の少なさ。
  • 評価関数のパラメータは通常2つで1~3までが扱いやすい。
実運用での課題と対策
  • バトルに時間がかかる(GAの最低時間が30バトルx3分x300世代)
    => 複数PCでの並列実行・高速バトルの機能・スケーリング可能なクラウド実行。
  • 導入モチベーション(効果が保証されない・開発に直接関係しない工数の発生)
    => 自動テスト運用でリターンを担保する
  • 可視化(結果を印象ではなくはっきりとした真実に・可視化はシミュレーションの良さに直結)
    => Apache Zeppelinを使った分析
可視化を行う上で必要な技術
  • SQL(必須)
  • Python
  • R言語

感想

直前のセッションでAIについてある種恐怖感が芽生え始めていましたので戦々恐々しておりましたが、始まってみると初心者の私にもとってもわかりやすい内容でした。
バランシングの課題について、やはり先程のセッションと同様に人間の手だけで行うのは現実的ではないとのこと。

私は以前ストーリークリアまで10時間程度のダンジョンRPGを個人で作ったことがあるのですが、そのバランス調整のために延々と同じダンジョンを踏破していた経験があります。
ゲームプログラムを書くよりバランス調整のほうが時間がかかっていますので、この部分をある程度自動化できるというメリットはとても大きいですよね。
これからAIをきちんと勉強しようと思わせていただけた素晴らしい講演でした。

総括

今回のCEDEC2018を振り返ってみると実際に業界で活躍されている方のお話を聞いたり、人気ゲームアプリの裏側を垣間見ることができ、クリエイターとしてのモチベーションが急上昇する1日でした。

初参加ということで私が聴講したセッションは1つを除いて全て中辛未満だったのですが、その唯一の中辛を除けば難しい数式や専門用語などはあまり取り扱われず、初めての分野でもすんなりと理解できる講演内容になっていました。

人気の講演は早い段階で入場規制がかかってしまったり、興味のあるセッションが同時間帯で重なっていて聴講できないなどの問題を考えるとタイムシフト視聴も魅力的なのですが、でもやっぱり、会場の熱気に包まれながら著名なクリエイターや研究者の生の声を聞くことで湧き上がるモチベーションは実際に現場に足を運んでこそ得ることができる最大の魅力だと思います。

私もこの熱気が冷めないうちに今回掴んだいくつかのキーワードを元に1つカジュアルなアプリ企画でも考えてみようと思います。